「床を歩くとギシギシと音がする。」「ふすまやドアの開け閉めがスムーズにいかなくなった。」それはシロアリ被害が原因かもしれません。
床下・柱は、本来は家全体を支える大切な役割を担っています。
しかし、シロアリに食べられてしまうと、内側がスカスカになってしまい、家を支えるほどの強度がなくなる場合があります。
柱や床下の強度が落ちてしまうと、地震が起きた際に家が傾いたり、ひどい場合は倒壊したりする可能性さえあるのです。
そのため、シロアリの被害が大きい場合は、家の破損個所を直すための修繕やリフォームが必要になります。
しかし、リフォームしただけでは、建物がボロボロになった原因そのものを解決できません。
シロアリ駆除を完了しておかないと、せっかくリフォームした箇所にもまたシロアリの被害が発生してしまい、せっかくのリフォームが無駄になってしまうこともあります。
そこで、シロアリの被害が進んでしまっている場合は、シロアリの駆除とリフォームを同時に行うことをおすすめします。
シロアリとは?
シロアリは約3万種類いる昆虫の中で唯一木材を栄養にする昆虫です。 木材以外は餌にすることはありませんが、シロアリの移動の邪魔になる場合、プラスチック、金属、コンクリート、ケーブルであっても噛みくだかれてしまう場合もあります。
また、シロアリは見た目や生態がアリと似ているためアリという名前がついていますが、系統的にはゴキブリに近い種類に分類されています。
シロアリはどこから入ってくるの?
シロアリが羽アリとして飛んできて、家の中に侵入すると思われている方が多いですが、実は9割が床下から侵入してきます。
シロアリは土の中に巣を作り、働きアリが餌となる木材を求め広く徘徊をします。餌場となる家屋、木材を見つけると、その間に蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルを作り、トンネル内を移動しながら餌を運び、巣を拡大していきます。
床下がコンクリートで覆われている構造でも、基礎や束石(つかいし)の境目に、0.6mm以上のひび割れや隙間が生じれば、シロアリはそこから侵入してきます。
床のリフォームとセットがお得
シロアリ対策は床下に潜り、土台・柱の間に薬物を散布しバリアを張る作業が一般的です。
そのため、お住まいに床下に潜るための点検口がない場合は、床材を剥がさなければなりません。床板を上げ交換する床リフォームは、同時に床下の土台、基礎の状態も確認できるため、作業時間的にもコスト的にも、シロアリ対策にはベストなタイミングと言えます。
また、一般的な消毒薬の効き目は5年で、定期的な薬剤散布が必要となってくるため、床リフォームの際は点検口を設けるなど、床下の状態を確認できる環境を整えましょう。
リフォーム時の気をつけること
リフォームのやり方を間違えると、シロアリの発生原因を作ってしまいます。
シロアリの被害が理由でリフォームをする際には、シロアリの再発を防ぐための適切な施工を選択しなければなりません。
シロアリ被害でリフォームをする際に、絶対にしてはいけないことは、この2点です。
- 床下の高さを低くする
- 土台と土壌の距離を縮める
近年、部屋を広く見せるために、床下の高さを低くするというリフォームが流行しています。
しかし、床下に十分なスペースが確保されていないと、湿気がたまりやすくなります。
それにより、シロアリの好む湿っぽい環境となってしまいます。
また、点検するスペースがなければ、シロアリの発見が遅れ、もし再発したときにも被害が大きくなってしまいます。
同様の理由で、土台と土壌の距離を縮める施工もNGです。