「バリアフリー」とは障害を取り除いて快適な環境を整えるという意味で、バリアフリーリフォームとは障害のない住宅にリフォームすることを言います。
バリアフリーリフォームの基本は、高齢者や体の不自由な人が車いすなどを使用した場合でも不自由なく快適に過ごせる環境を作ることです。
バリアフリーリフォームと一言で言っても1日で施工できる簡単なものから、工期が長期間で費用も1,000万円単位のものまであるため、予算や目的などによってリフォーム内容は変わってきます。
目次
バリアフリーリフォーム種類
玄関
・玄関のバリアフリーリフォームのポイントは、段差をなくす、または高低差を少なくするということです。三和土(たたき)と上がり框(かまち)の段差をなくすことで、車いすでそのまま室内に入ることができるようになります。
・玄関の壁に手すりを取付けておくと、昇降の動作を支えることができるので安全です。 また靴の脱着もスムーズに行えます。
通路(廊下)・階段
・通路(廊下)のバリアリフォームのポイントは、車いすが通れる(回転できる)幅を確保しておくということです。車いすが通れる(回転できる)幅は、85cm以上必要になります。
・通路(廊下)、階段の要所要所に手すりを取付けておくと、安全に歩行することができます。特に階段は転落防止や転倒防止に役立ちます。
・階段の勾配や寸法についても安全基準を満たしておく必要があるでしょう。
一般住宅の階段の踏み面は15cm以上、踏み上げ23cm以下のものは安全に昇降ができる階段になります。
・階段の直線階段と廻り階段では、廻り階段の方が安全性が高くなります。
万が一、転落事故が起こった場合、廻り階段であれば踊り場があるため一番下まで転落してしまうことがないからです。
直線階段から廻り階段へのリフォームは大掛かりな工事になってしまいますが、安全を確保する上では、選択肢の一つとして考えておくのも良いかもしれません。
キッチン・リビング・寝室
・キッチンのバリアフリーリフォームのポイントは、作業しやすいスペースを確保しておくということです。車いすでも移動できる通路や、座って作業できるスペースがあれば安心です。また滑らない床材を取り入れることも転倒防止につながります。
・リビングや寝室では、段差をなくすということはもちろんですが、手すりの取付けや滑らない床材にしておくことも大切です。そして出入りがしやすいようにスライド式の引き戸にしておくと、出入りもしやすくなります。また最近では、自動ドアも一般家庭で取り入れられるようになってきています。
水回り
・浴室は転倒防止のために滑りにくい床面に変更したり、必要な箇所に手すりを取付けておくと安全です。また浴室と脱衣室の段差を解消したり、開き戸や折り戸の場合は、引き戸に取り替えておくと出入りの際の負担もなくなります。そして冬場の事故で最も危険なヒートショックを防ぐためにも、浴室や脱衣室に暖房設備を設置しておくと、なお良いでしょう。
・トイレは浴室同様に、転倒防止や立ったリ座ったりする動作の際に便利な手すりを取付けておきましょう。またドアも引き戸に取り替えておくと、開け閉めの負担もなくなります。そしてトイレの間口を広くしておけば、車いすで入ることができるので、介助などが必要な場合にも負担がありません。
トイレ空間に収納などが取り付けてある際には、撤去して広いスペースを確保することもできます。その他には、和式トイレを洋式トイレにすることで高齢者の方でも足腰に負担を掛けずに使用することができるようになります。
また現在の洋式トイレに取付けることができる着座高を調節できるものや、トイレの便座が上下にスライドし、立ち座りの動作が負担なく行えるものもあります。必要に応じて取り付けておくと良いでしょう。
バリアフリーリフォームの実施箇所別の費用相場
トイレをバリアフリーリフォームする場合の費用相場
- 床の張り替え:約5万円~約10万円
- 手すりの設置:約2万円~約3万円
- 和式トイレから洋式トイレへの変更:約40万円~約60万円
- トイレの拡張:約20万円~約40万円
歩行しやすくするためのバリアフリーリフォーム
- 手すりの設置:約5万円~約10万円
- ドアを引き戸へ変更:約5万円~約10万円
- 段差解消:約1万円~約2万円