たこ足配線が危険と言うのは、定格電力を超過した使い方をしているためです。
単にたこ足配線に指しているコンセントの数が多い・少ないと言う問題ではありません。
コンセントの指している数が少なくても定格電力を超過しているとダメで、逆にそれが多くても定格電力が超過していなければ問題ないと言う事です。
目次
コンセントや電源タップには容量の限界がある
各家庭やコンセントにどれだけ電気を流せるかは「アンペア(A)」で表示します。
日本の一般家庭で、コンセント1箇所へ流せる電流のアンペア数の目安は「15Aまで」となっています。家庭用電源の電圧は100Vで、使用できる定格容量は1500Wとなります。電源タップでも容量の上限は1500Wまでとされており、本体に「合計1500Wまで」と書かれています。
複数の差込口がある場合、使用できる電気容量の上限は1500Wまでです。複数の家電を電源タップに接続して使用する場合も、総量1500Wを超えないようにする必要があります。しかし家電にはドライヤーや電子レンジなど、1台で1000W以上の電力を使用するものもあり、それらを同じ電源タップで複数使用すると容量オーバーを招く可能性があります。このため「たこ足配線は電力容量オーバーにつながりやすい」といわれています。
家電製品にも書かれている「消費電力」とはその製品がどれくらいの電力を使用するかを表しています。以下は代表的な家電製品の消費電力の目安です。
スマートフォン(充電時) 100Wから240Wほど
冷蔵庫 150Wほど
炊飯器 600Wほど
掃除機 200Wから1000Wほど
パソコン・テレビ 130Wから150Wほど
電子レンジ 400Wから1000Wほど
ドライヤー 1000Wから1500Wほど
なお、エアコンも消費電力の大きい家電として知られますが(1000Wから1400Wが目安)、エアコンは専用コンセントで使用することが一般的なため、たこ足配線への影響はあまりないと考えられます。
また、上記の消費電力はあくまで目安であり、各家電によって詳細な電力量は異なります。詳しく知りたい場合は家電の本体や取扱説明書、外箱の記載を確認しましょう。
電源タップを使用する場合は、その電源タップで使う家電の消費電力の合計が定格容量の1500Wを超えないようにすることが基本です。容量をオーバーしてしまうと電源タップが過熱し、発火の原因となることがあります。
たこ足配線そのものが絶対的に危険というわけではなく、正しい使用法を守って使うことで発火のリスクは抑えられます。
たこ足配線などコンセントによる電気火災を防ぐために
タップの容量を守って過電流を避ける
コンセントや電源タップの定格容量を超えないようにし、可能であれば少し容量に余裕を持たせて使用するようにしましょう。定格容量が1500Wだからと1500Wぎりぎりで使うよりも、1200W~1300W程度に抑えて使用する方が発熱のリスクも低くできます。
コードのねじれを放置しない
電源コードがねじれたり絡まったりしたままの状態は、内部の銅線をショートさせる原因となります。長い電源コードを邪魔だからとぐるぐる巻いたり束ねたりしたまま使用することも、発熱やコードの劣化を招くため避けましょう。
ホコリや水の付着を防ぐ
トラッキング火災はコンセント接続部のホコリと水分で引き起こされるため、定期的に接続部にホコリがたまっていないか点検し、まめに清掃と差し直しを行いましょう。電源タップにつないだ家電の接続箇所だけでなく、壁のコンセントと電源タップの接続箇所を点検することも忘れずに。また接続部分の水濡れはトラッキングだけでなく、感電の原因にもなるため絶対に避けましょう。
コンセントやタップを隠して使わない
電源コードは見映えを損ねるからと、コンセントや電源タップを家具や敷物などで隠して使用することもNG。手入れが行き届かなくなりトラッキングを起こす可能性や、コードのねじれやたるみで発熱を招くこともあり得ます。接続部分の点検や手入れがしやすいよう、コンセントや電源タップは必ず家の方の目が届くようにしておくことが大切です 。